『金文通釋 一』

白川静著『金文通釋 一』(白鶴美術館 昭和37年)

『金文通釋』です。白鶴美術館誌では第56輯まであるのですが、私が持っているのは第42輯まで。これを揃いで入手するのはなかなかお値段的に厳しいのですが、昨年、日本の古本屋で第1輯~第42輯の端本が、なんとか手の届く価格で出ていたので購入。『白川静著作集』にも収められていますが、こちらもお値段的に厳しいです。図書館にも大きめのところでないと置いてません。

さて、通勤の電車の中で読んでみました。難しいです。

やはり、使われている用語が難解です。第1輯は「大豊𣪘」を取り扱っているのですが、銘文の冒頭「乙亥、王又大豊」の解説にはいきなり、「乙亥の乙は泐損している。」(p.5)とあります。銘文の拓本を見ると「乙」の字が判別できないので、文字が摩耗しているとか、そういう意味だとは想像はできるのですが、とにかく読めない。辞書を引くと「泐」は「ろく」という音のようで、「泐損」は「ろくそん」と読むのだと思われます。大漢和にも「泐損」という熟語はありません。「泐」は石が筋目に沿って裂けるという意味だそうです。「大豊𣪘」は石ではなく青銅器ですが、青銅器にひびが入って、文字が損なわれているということでしょう。こんな調子です。

ただ、しばらく読み進めると、パターンが見えてきます。
銘文を適宜断句した上で、その箇所について先達の説を順に紹介していきます。その中で採るもの、採らないものを仕分けて行って、最後に白川博士の解釈が述べられています。「大豊𣪘」だけでなく、「麦尊」という他の青銅器の銘文と比較したり、知識の前提として殷から周にかけての歴史も知っておかなければいけません。

なかなか難解ではありますし、一度読んで理解できるものではありませんが、しばらく読み進めてみようと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク




フォローする